早期退職して起業する時に絶対にしてはいけない5つのポイント

[記事公開日]2015/11/29
[最終更新日]2016/03/06
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pasokonsinia

20代で起業をするのと、50代で起業するのは、起業に対する考え方も違いますよね。

20代の起業はこの先長い人生を生きていくためのお金を稼がなければならないので、借金をしてでも、大きく賭けに出ることもあるでしょう。

しかし50代で早期退職をしてもらった退職金を元手に起業する場合、年金がもらえるまでは生活費を稼がなければいけないので、大変ではありますが、それまでの貯金があったり、お子さんも独立されていたり20代の頃とは事情も大きく変わっています。

50代以降の起業は、リスクを取って大きく稼ぐというよりも、利益は少なくてもできるだけ安全確実に商売をしたいと考えられる方も多いと思います。

今回は、39歳の2009年12月に独立をした私が、それ以降、いろいろな起業家の方と知り合って感じた、50代以降に早期退職をきっかけに起業された方が「気をつけるべきポイント」に関して、お話しようと思います。  

サラリーマンを退職をされた人が起業に向いている理由

まず、基本的に私は定年近くまで勤められたサラリーマンは、非常に起業に向いていると思っています。

私も15年程一部上場企業でサラリーマンをしていたので、良く判りますが、組織の中での上下関係、対外的な方との接し方、一通りのビジネスの考え方、社内セミナーや自己開発等で培われた能力の高さ、そして何より、長い会社生活の中で作ってきた社内外の人脈、これらを起業する時点でお持ちということは、既にビジネスを始める土台は出来ていると言って良いと思います。

但し、良い点ばかりではなく、起業後もサラリーマン時代と同じように考えていると、大きなミスをしてしまうこともあります。

それでは、どのような点に気をつけなければいけないのかを見ていきたいと思います。  

 

【ポイント1】 人を雇うことにこだわらない

「以前の会社の同僚と会う時に、一人で会社をやっている、と言うのは恥ずかしいから何人か人を雇おう」とか「私が社長になるんだから、5人くらいは雇わないと」といったような理由で、人を雇う方がいらっしゃいますが、これだけの理由であれば、絶対に人を雇ってはいけません

起業してすぐは収入が無いと言うケースがほとんどですので、まず最初にしなければいけないのは「出来る限り出費を減らす事」です。

出費を減らすことは収入を上げることと同じようなことなのです。とにかく徹底してムダを無くす習慣をつけるのが重要です。

そのムダの最たるものが、「自分で出来る事を人を雇ってする」ことです。

サラリーマン時代は「何でも自分でしようとするな。人を使ってこそ大きな仕事が出来る」と言うような言葉を私もよく言われました。 しかし、それは会社組織という土台があった上で、その会社組織のメンバーの一人として働いている場合に言えることであって、一人社長は何でも一人でしなければなりません。

本当に出来ないことや、どうしても効率を考えて人に任せるような仕事は、外部の会社にアウトソーシングするのが良いでしょう。 私の知り合いの社長さんの中でも、ある程度の収益のサイクルが出来るまでは、「一人で何でもやる」つもりで頑張られた方が成功しているように感じます。  

 

【ポイント2】 会社の規模にこだわらない

会社の規模「資本金は1000万円くらいないと恥ずかしい」という理由で資本金を1000万円にしてしまうと、資本金1000万円未満に適用される「免税事業者」になることが出来ません。

免税事業者とは、売上に上乗せする消費税から仕入や経費にかかる消費税を差し引いて納付する「消費税」の納付義務を免除される事業者です。

免税事業者は、消費税分のメリットがあるのはもちろん、消費税計算の事務手続きが簡素化されて、税理士費用も安くなるというメリットもあります。(但し、輸出が多いようなビジネスの場合は、課税事業者になって消費税の還付を受けた方がメリットがある場合がありますのでご注意下さい。)

また、「オフィス街に事務所をおかないと、小さな会社だと思われるかな」という理由だけで、家賃の高いところを契約される方もいらっしゃいますが、これも、対外的な理由だけであればもう一度考え直した方が良いと思います。

どうしてもオフィス街の中心地で登記をしたいという場合は、バーチャルオフィスやレンタルオフィスを利用するのも良いかもしれません。(許認可事業の場合は実際のオフィスがないと許可がおりないものもありますので注意して下さい。)

私の場合は、自宅を会社本社にして、従業員もなく、資本金は旅行業登録で最低でも360万円必要だったので、400万円に設定しました。

起業当初は、「どれだけ固定費をかけずに運営するか」が非常に重要なポイントになります。ビジネスの内容によっては会社の立地や資本金の規模が必要になるものもあると思いますが、対外的な見栄えだけが理由であれば、出来るだけ固定費がかからないような選択をするべきだと思います。 (会社の設立にあたっては、こちらの『会社設立の準備』もご参照下さい。)  

 

【ポイント3】 会社の経理事務を甘くみない

経理業務サラリーマン時代は税金や社会保険は天引きされて給料を渡されていたので、税金や社会保険に関してはあまり詳しくないという方も多いと思います。

私も起業当時は全くといっていい程、税金や社会保険に関しての知識はありませんでした。

起業して法人にした場合、所得税の源泉徴収や社会保険を含めた給料計算などは、ご自身でしなければなりません。当然、社長一人の会社でも例外ではありません。

実は、私も起業当初は「小さい会社だし、たいして売上もないから自分で申告しよう」と、法人の申告を自分でしていました。結果、3年目に税務署から呼び出しがあり、申告内容に関して聞かれたのですが、全く手に負えずに税理士と契約をすることになりました。

ポイント1で「一人でなんでもやる」という気持ちが大事だと書きましたが、この税金や経理処理に関しては、全体の知識は必要ですが、実務は税理士などの専門家にアウトソーシングするのが良いと思います。この部分に時間をかけすぎると、本業の方の時間を削ることになりますし、だからといって不十分な知識で自分ですると、結果として時間もお金もかかることになってしまいます。

法人の経理労務に関しては『法人成りした個人事業主が「え?何これ!」と感じる法人経理の難しいポイント』でもご説明しておりますので、是非ご参照下さい。  

 

【ポイント4】 元会社の部下を現在も部下だと思わない

契約起業してすぐは新規のお客さんを見つけることも難しいので、以前に勤めていた会社の同僚や部下を頼りにされることも多いかと思います。

それはそれで良いと思うのですが、退職前の上下関係がそのまま継続しているような立場で、仕事の話しをしてしまうと、せっかく持っている良い人脈を自ら手放してしまうことになりかねません。

「あいつは可愛がってやったしな」とか「いつも俺の右腕となって頑張ってくれたし」などと思っていても、相手は上下関係のある組織の中で、仕事として割り切ってあなたと付き合っていた可能性もあります。

そういった温度差がある場合、上から目線で「あの商品、サンプル品がたくさんあったと思うから、うちに送ってよ」なんて言われた場合は、その場は「判りました。」と言っていても、いずれは「今、席を外しています」と連絡が取れなくなるようなことになるかもしれません。

サラリーマン時代の人脈は、突然作れるものではありません。そういった人脈を持っていることは、あなたの最大の武器なのです。その最大の武器を活かさずに、みずから投げ捨てるようなことだけは絶対にしてはいけません。

サラリーマン時代の人脈を活かすコツは、あなたが相手に何かをお願いするのではなく、先に、相手に喜んでもらえるようなことをすることです。

同じ業界の仕事をするのであれば、起業したあなただからこそ得ることが出来る情報や人脈もあると思います。

そういった情報や人の財産を、あなたから先に元部下の方に提供すれば、「以前の部下だった俺にここまでしてくれるんだったら、何かお手伝い出来ることがあればしたいな。」と恩を感じるものです。 そのようにして出来た「新たな人間関係」は今後自分の会社を大きくしていく上での最大の武器になるのです。  

 

【ポイント5】 「覚悟」をもつことを忘れない!

「覚悟」

私は、これこそが、起業をする上で最も重要な事だと思っています。

サラリーマン時代は仕事に失敗しても、営業成績が悪くても、月に1回の給料と年に2回のボーナスをもらえました。

しかし、起業をしたら、当然ですが、誰も給料はくれません。自分で稼ぐしかないのです。

こう言うと、「やっぱり厳しそうだなあ」と思われるかもしれません。確かに厳しいです。

しかし、サラリーマン時代とは違って、どのようなビジネスをどのようにするかは全て自分に決定権があります。

つまり、利益が出るのも出ないのも、自分で決めたやり方が原因なのです。誰のせいでもなく、自分の責任なのです。

私もこちらの『代表行政書士 挨拶』で書いていますように、起業当初から現在に至るまで、もがきまくっています。

2013年からの円安で中国からの輸入品の利益が激減したりもしました。 が、それでも起業当初からずっと楽しいと思っているのは「自分で決めた事が出来る」という事が嬉しくて仕方が無いからだと思います。

為替のような経済環境や国同士の対立のような政治環境で、利益がいっきになくなることもありますが、そういったことは私一人ではなく、日本にいる全員が同じ条件なのです。

そんな事を理由に「為替がかわったから赤字になった」とまわりに嘆いてみても、「そうか、かわいそうだから、お金をあげよう」なんていう知り合いはいません。私もそんな泣き言しか言わない人は相手にしないと思います。

自分で決めたことだから結果の全責任は自分にある」という覚悟を持って、起業をすることが最も大事なことだと考えています。  

 

まとめ

まとめいかがでしたでしょうか。

50代や60代で起業をお考えの場合、今まで経験のない事に対する不安もあるかと思います。

しかし、今回書きましたように、サラリーマンを長くされていたということは、メリットの方が多く、上手にその人脈や経験を活かされれば、サラリーマンを長くされていた方は、非常に起業に向いているともいえると思います。

最後の項目の「覚悟」に関しては、「全て自分の責任」という重い気持ちの印象を持たれたかもしれませんが、同時に「全て自分で決められる」という楽しい気持ちもあるのです。

固定費をかけずに、慎重にすれば、大きな借金をかかえるような可能性は少ないと思います。

「あんなに他の会社の規模とかを気にしてた部長が、自分の会社になったら一人らしいよ」なんて事を言われても、気にしないで下さい。

収益が出せる仕組が出来るまでは、規模は小さく、経費はかけず会社を運営し、終始仲間には謙虚な思いで接していけば、必ず楽しい起業生活を送ることが出来ると思います。    

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1970年生まれ 千葉県木更津市出身 早稲田大学政治経済学部卒 2015年現在、行政書士事務所以外に2つの株式会社を経営する起業家でもある。スモールビジネスで起業する人へのサポートを得意とする。 2009年 某大手電機メーカー退社 2009年 旅行会社の株式会社旅晴好(ろはす)設立 2015年 WEB制作会社 株式会社リヒトス設立 2015年 よこぜき行政書士事務所開設