女性が50代から一生できる仕事とは?

はじめに

「子育ても一段落したし、もう一度自分のために働きたい」

「人生100年時代、まだまだ先は長い。やりがいのある仕事で輝き続けたい」

「でも、50代の未経験からなんて、本当に仕事が見つかるんだろうか…」

50代という人生の節目を迎え、新しいキャリアを考え始めるとき、希望とともにこんな不安を感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

しかし、「もう遅い」ということは決してありません。

実は、日本では近年50代女性の就業率が大きく上昇しており、厚生労働省の『令和4年の働く女性の状況』によると、令和4年時点で45~49歳女性の就業率は81.9%、50~54歳でも約80%と過去最高水準に達しています。

子育て期を終えた女性が再び仕事に就くケースが増え、女性の労働力率のM字カーブは底上げされ台形に近づきつつあります。

つまり「50代だから働けない」という時代ではなく、むしろ多くの女性が50代で再び活躍し始めているのです。

また、日本は少子高齢化が進み、シニア層の就業促進が重要な社会課題となっています。

企業には65歳までの雇用確保義務が課せられ(高年齢者雇用安定法改正)、2021年からは70歳まで働ける機会を提供する努力義務も始まりました。

定年のない働き方やフリーランスも含め、「人生100年時代」を見据えて誰もが長く働ける環境整備が進んでいます。

女性活躍推進法も施行され、男女問わず生涯現役で働ける社会を目指す流れです。

こうした背景の中、本記事では50代女性が「これからも長く働ける仕事」を見つけるためのヒントをお届けできればと思います。

「女性が50代から一生できる仕事」を見つけるための準備

本格的に仕事を探し始める前に、少しだけ立ち止まって、ご自身の心と向き合う時間を持つことが、成功への一番の近道です。

ここでは、漠然とした不安を自信に変えるための、3つの大切な準備についてお話しします。

【STEP1】自分のスキルや経験を見える化する

「私には特別なスキルなんてない…」そう思っていませんか?

そんなことはありません。

あなたのこれまでの人生経験そのものが、実は大きな強みであり、仕事に活かせる「強み」なのです。

この強みを「見える化」するのが「自分の棚卸し」です。

難しく考える必要はありません。

ノートとペンを用意して、リラックスしながら以下の項目を書き出してみましょう。

これまでの経験をすべて書き出す

社員の経験だけでなく、パート、アルバイト、派遣、ボランティア活動、PTAや町内会の役員など、どんな経験でも構いません。

どんな役割を担い、どんな工夫をしたか、何に達成感を感じたかを思い出してみましょう。

家庭生活で培ったスキルを整理する

長年の家事や子育てで身につけたスキルは、立派なプロの技です。

例えば、毎日の献立を考え、予算内で買い物をし、時間通りに食事を準備する「段取り力」や「金銭管理能力」。

子どもの成長をサポートし、ときには学校や地域と連携した「コミュニケーション能力」や「調整力」。

これらはすべて、多くの職場で求められる貴重なスキルです。

「好きだったこと」「得意だったこと」を思い出す

仕事や趣味で「夢中になれたこと」は何ですか?人から「ありがとう」と感謝されたこと、褒められたこと、頼りにされた経験の中にも、あなたの強みは隠れています。

料理が好きなら調理補助、子どもが好きなら保育補助、コツコツと作業するのが好きなら軽作業やデータ入力など、好きなことが仕事選びのヒントになります。

「何のために働きたいか」を考える

「安定した収入のため」「社会とのつながりを持ちたい」「誰かの役に立ちたい」「新しいことに挑戦したい」。

働く目的を明確にすることで、仕事選びの軸が定まり、自分に合った職場を見つけやすくなります。

この「棚卸し」作業を通じて、あなたは自分が思っている以上に多くのスキルと経験を持っていることに気づくはずです。

これが、自信を持って仕事探しに臨むための、何よりの土台となります。

【STEP2】「強み」になるものを考える

「自分の棚卸し」で自分のスキルや経験を見える化したところで、どのようなスキルや経験が、どんな強みになるのかを考えてみましょう。

年齢を重ねることを、ネガティブに捉える必要はまったくありません。

むしろ、50代までの経験やその経験によって得たスキルが、今の労働市場では高く評価されています。

豊かな人生経験が「深み」になる

結婚、出産、子育て、住宅購入、親の介護など、あなたが乗り越えてきた様々なライフイベント。

その一つひとつが、あなたの人間としての深みを形作っています。

例えば、お客様の人生の節目に立ち会う冠婚葬祭の仕事や、悩みに寄り添うキャリアコンサルタントの仕事では、この経験が共感力となり、若い世代にはない信頼感を生み出します。

高いコミュニケーション能力と「察する力」

家庭や地域、これまでの職場で様々な立場の人と関わってきた経験は、相手の気持ちを察し、円滑な人間関係を築く高度なコミュニケーション能力を育んでいます。

この能力は、介護、接客、コールセンターなど、人と接するすべての仕事で即戦力となるスキルです。

落ち着きと丁寧さが「安心感」を与える

50代ならではの落ち着いた物腰や丁寧な言葉遣いは、お客様や同僚に大きな安心感を与えます。

クレーム対応や、細やかな配慮が求められる医療事務、セレモニースタッフなどの仕事では、この「安心感」が何よりの強みとなるでしょう 3。

企業が50代の女性に期待しているのは、単なる労働力だけではありません。

その豊かな経験と人間性で、職場に良い影響を与えてくれる存在なのです。

【STEP3】理想の働き方を考える

長く仕事を続けていくためには、自分にとって心地よい働き方を見つけることが非常に重要です。

収入ややりがいだけでなく、ご自身の体力やライフスタイルも考慮して、仕事選びの「優先順位」を考えてみましょう。

体力的な負担を考える

50代になると、若い頃と同じように働くのは難しいと感じる方も少なくありません。

長時間の立ち仕事や重労働は避けたい、という場合は、データ入力やコールセンター、事務職といった座ってできる仕事を中心に探すのがおすすめです。

一方で、「適度に体を動かしたい」という方もいるでしょう。その場合でも、勤務時間や休憩の取りやすさなどを事前に確認することが大切です。

働き方の柔軟性をチェックする

「フルタイムでしっかり働きたい」「週に数日、短時間で」「在宅で自分のペースで」。

今は、正社員だけでなく、パート、派遣、業務委託など、多様な働き方が選べる時代です。

家庭の事情や趣味の時間も大切にしながら、無理なく続けられる働き方を見つけましょう。

条件の優先順位と「妥協点」を決めておく

「給与」「勤務地」「勤務時間」「仕事内容」「職場の雰囲気」。すべてが100%希望通りの求人を見つけるのは、簡単ではないかもしれません。

だからこそ、「これだけは譲れない条件」と「ここは妥協できる条件」をあらかじめ決めておくことが大切です。

例えば、「最初は給与が少し低くても、やりがいがあって長く続けられるならOK」といった柔軟な視点を持つことで、選択肢がぐっと広がり、良いご縁に繋がりやすくなります。

この準備段階で自分自身としっかり向き合うことが、遠回りのように見えて、実はあなたにぴったりの「一生ものの仕事」に出会うための最短ルートなのです。

50代女性におすすめ!一生続けられる仕事15選

自己分析でご自身の強みや希望の働き方が見えてきたら、いよいよ具体的な仕事を見ていきましょう。

ここでは、未経験からでも挑戦しやすく、50代の女性が長く活躍できる15の仕事を「働き方のタイプ別」にご紹介します。

ご自身の希望と照らし合わせながら、興味のある仕事を見つけてみてください。

人と関わる、体を動かす仕事

「誰かの役に立っている実感を得たい」「じっとしているより動いている方が好き」という方におすすめの、アクティブでやりがいのある仕事です。

1. 介護職

  • 仕事内容: 高齢者や障がいのある方の食事、入浴、排泄などの身体的なケアや、掃除、洗濯といった生活のサポートを行います。
  • おすすめの理由: 超高齢社会の日本では慢性的な人手不足のため、50代・未経験でも歓迎される求人が非常に多いのが特徴です。子育てや家族の世話をしてきた経験、そして人生経験からくる共感力や思いやりが、そのまま仕事に活かせます。資格取得支援制度を設けている施設も多く、働きながらスキルアップできる環境も整っています。
  • メリット: 人の役に立つやりがいが大きい、求人が安定している、国家資格「介護福祉士」へのキャリアアップも目指せる。
  • デメリット: 身体的な負担が大きい場合がある、施設によっては夜勤など不規則な勤務がある。
  • 収入の目安: 正社員の月収例として22万4,500円~30万円以上など幅広く、資格の有無によっても変わります。

2. 家事代行・清掃

  • 仕事内容: 個人宅やオフィスビルなどで、依頼主に代わって掃除や片付け、料理などの家事を行います。
  • おすすめの理由: 長年の主婦経験で培った家事スキルをダイレクトに活かせます。週1日・1日数時間からなど、短時間勤務の求人が多く、自分のペースで働きやすいのが魅力です。基本的に一人で黙々と作業するため、対人関係のストレスが少ないのも特徴です。
  • メリット: 柔軟なシフト、特別な資格なしで始められる、今あるスキルがすぐにお金になる。
  • デメリット: 体力を使う仕事である、汚れがひどい現場を担当することもある。
  • 収入の目安: 時給制が多く、1,150円~2,000円程度が相場です。

3. 保育補助

  • 仕事内容: 保育園などで、保育士のサポート役として、園児の見守りや遊び相手、食事の補助、園内の清掃などを行います。
  • おすすめの理由: 「子どもが好き」という気持ちと、自身の子育て経験が最大の強みになります。補助的な業務であれば、保育士資格がなくても始められる求人が多くあります 19。子どもたちの成長を間近で見守ることができる、やりがいの大きな仕事です。
  • メリット: 子育て経験を活かせる、子どもたちの成長に喜びを感じられる、安定した需要がある。
  • デメリット: 体力的・精神的にハードな側面もある。正規の保育士として働くには国家資格が必要。
  • 収入の目安: 学童指導員のパート求人例では月給11万円前後など、働き方によって様々です。

4. 接客・販売

  • 仕事内容: アパレルショップや飲食店、ホテルのフロント、冠婚葬祭のセレモニースタッフ、フィットネスクラブのスタッフなど、お客様と直接関わる仕事全般を指します。
  • おすすめの理由: 50代ならではの落ち着いた雰囲気、丁寧な言葉遣い、そして高いコミュニケーション能力が高く評価されます。求人数が豊富で、未経験からでも始めやすい業種が多いのも魅力です。
  • メリット: 活躍の場が広い、コミュニケーション能力を活かせる、人との交流が好きな方に向いている。
  • デメリット: 立ち仕事が多い、土日祝日や夜間の勤務が必要な場合がある。
  • 収入の目安: 業種により大きく異なります。フィットネスクラブの正社員求人例では月給24万円~26万円などがあります。

オフィスでのデスクワーク

「体力的な負担が少ない仕事がいい」「安定した環境で働きたい」という方におすすめの、オフィス内での仕事です。

5. 一般事務

  • 仕事内容: データ入力、書類作成・整理、電話応対、来客対応、備品管理など、オフィス内のサポート業務全般を担います。
  • おすすめの理由: 座ってできる仕事が中心のため、体力的な負担が少ないのが最大の魅力です 5。これまでの社会経験や、家庭で培った整理整頓能力などが活かせます。多くの企業が、責任感と安定感のある50代の人材を求めています。
  • メリット: 身体的な負担が少ない、勤務時間が安定していることが多い(平日9時~17時など)、幅広い業界で需要がある。
  • デメリット: 人気の職種で競争率が高い場合がある、WordやExcelなど基本的なPCスキルが必須。
  • 収入の目安: 経験や雇用形態によりますが、全国的な平均年収は340万円~470万円程度とされています。

6. 医療事務

  • 仕事内容: 病院やクリニックの「顔」として、受付や会計、電話対応、そして診療報酬明細書(レセプト)の作成などを行います。
  • おすすめの理由: 景気に左右されにくい安定した業界で、全国どこでも働く場所があります 14。未経験者歓迎の求人が多く、研修制度や資格取得支援が整っている職場も多いため、50代からでも安心してスタートできます。定年を設けていない診療所も多く、長く働きやすい環境です。
  • メリット: 非常に高い安定性、専門性が身につく、全国どこでも働ける。
  • デメリット: 専門用語や保険制度の知識習得が必要、正確さが求められる。
  • 収入の目安: 未経験からのスタートで月収19万円~23万円程度。50代の平均年収は約353万円とされています。求人情報を見ると、月収20万円~35万円台の募集が多く見られます。

7. コールセンター

  • 仕事内容: お客様からの商品やサービスに関する問い合わせに、電話やチャットで対応します。
  • おすすめの理由: 空調の効いたオフィスで座ってできるため、体力的な負担が非常に少ない仕事です。多くの場合、しっかりとしたマニュアルが用意されているため、未経験者でも始めやすいのが特徴です。在宅勤務が可能な求人もあります。
  • メリット: 快適な職場環境、柔軟なシフト制が多い、コミュニケーション能力を活かせる。
  • デメリット: お客様からのクレーム対応などで精神的なストレスを感じることがある。
  • 収入の目安: 年収で200万円~300万円、時給では1,300円~1,700円程度が目安です。

8. 経理事務

  • 仕事内容: 会社の伝票処理や請求書作成、経費精算、決算業務の補助など、お金に関わる事務処理全般を行います。
  • おすすめの理由: 専門性が高く、一度スキルを身につければ年齢に関わらずどの企業でも通用する「手に職」の代表格です。数字に強く、コツコツとした作業が好きな方に向いています。
  • メリット: 専門スキルが身につく、求人が安定している、キャリアパスが明確。
  • デメリット: 未経験からの挑戦には「日商簿記2級」の資格が必須となる場合が多い。
  • 収入の目安: 経験豊富な50代の平均年収は高いですが(約726万円)、未経験の場合はパートからスタートすることも多いです。

在宅で柔軟に働ける仕事

「通勤時間をなくしたい」「家事や介護と両立したい」という方におすすめの、場所や時間に縛られない働き方です。

9. Webライター

  • 仕事内容: Webサイトに掲載されるコラム記事や商品紹介文、ブログなどを執筆します。
  • おすすめの理由: パソコンとインターネット環境があれば、どこでも仕事ができます。特別な資格は不要で、未経験から始めやすいのが大きな魅力。これまでの子育て、趣味、前職の知識など、人生経験そのものが記事のネタになり、大きな強みとなります。
  • メリット: 非常に高い柔軟性(時間・場所)、自分の経験や知識を活かせる、脳の活性化にも繋がる。
  • デメリット: 収入が安定するまで時間がかかることがある、自己管理能力が求められる。
  • 収入の目安: スキルによりますが、未経験者は1文字0.3円~1円程度からスタートすることが多いです。経験を積めば、月収30万円以上を目指すことも可能です。

10. オンラインアシスタント(オンライン秘書)

  • 仕事内容: 企業や個人事業主の業務を、リモートでサポートします。スケジュール管理、メール対応、資料作成、データ入力、リサーチ業務など、仕事内容は多岐にわたります。
  • おすすめの理由: これまでの事務経験や社会人経験を、在宅という自由な環境で活かすことができます。中小企業や起業家からの需要が高まっています。
  • メリット: 在宅勤務、柔軟な勤務時間、多様な業務に携われる。
  • デメリット: 高い自己管理能力と、テキストでの円滑なコミュニケーション能力が必須。
  • 収入の目安: 時給制の場合、1,000円~1,200円程度からスタートすることが多いです。フルタイム換算で月収20万円~25万円程度が相場とされています。

11. データ入力

  • 仕事内容: 手書きの書類やアンケート結果、音声データなどを、指示に従ってパソコンで入力していく仕事です。
  • おすすめの理由: 特別なスキルや経験が不要で、誰でも始めやすいシンプルな作業です。一人で黙々と作業に集中したい方に最適です。在宅でできる求人も多く見られます。
  • メリット: ストレスが少ない、対人関係の悩みがない、未経験でもすぐに始められる。
  • デメリット: 単調な作業が続くため、人によってはやりがいを感じにくい、収入は他の専門職に比べて低めになりやすい。
  • 収入の目安: 出来高制や時給制が中心です。

資格を活かす専門職

「新しいことを学んで、専門家として活躍したい」という方におすすめの、資格取得によって道が開ける仕事です。

12. 登録販売者

  • 仕事内容: ドラッグストアやスーパーなどで、風邪薬や鎮痛剤といった一般用医薬品(第2類・第3類)の販売と、お客様への情報提供を行います。
  • おすすめの理由: 受験・就業に年齢制限がなく、一度取得すれば生涯有効な国家資格です 42。医薬品を扱う店舗は全国にあるため需要が安定しており、実際に40代・50代で合格して活躍している女性が多数います。
  • メリット: 専門性の高い国家資格、全国どこでも働ける安定した求人、パートなど柔軟な働き方も可能。
  • デメリット: 資格試験に合格する必要がある、年に一度の外部研修が義務付けられている。
  • 収入の目安: 正社員で年収300万円~350万円程度から。資格手当として月5,000円~2万円がつくことが多いです。

13. キャリアコンサルタント

  • 仕事内容: 個人のキャリアプランに関する相談に乗り、能力開発や仕事選びをサポートする専門家です。国家資格が必要となります。
  • おすすめの理由: 実は、この分野で最も活躍しているのが50代・60代の層です。あなた自身の豊富な職業経験や人生経験が、相談者の悩みに寄り添い、的確なアドバイスをする上での最大の武器になります。
  • メリット: 人の人生を支援する非常に高いやりがい、自身の経験を最大限に活かせる、独立開業も視野に入れられる。
  • デメリット: 国家資格の取得が必要で、そのためには養成講座の受講と試験合格が必須。
  • 収入の目安: 働き方により様々ですが、年収300万円~500万円の層が最も多いです。一方で、50代は800万円以上の高収入を得ている割合が他の年代より高いという特徴もあります。

14. ファイナンシャルプランナー(FP)

  • 仕事内容: 個人のライフプランに基づき、保険、資産運用、住宅ローン、年金など、お金に関する相談に乗ってアドバイスを行います。
  • おすすめの理由: 学んだ知識が、お客様のためだけでなく、自分自身の家計管理や資産設計にも直接役立ちます 42。お金に関する自身の経験が、相談者へのアドバイスに説得力を持たせます。
  • メリット: 実生活に役立つ知識が身につく、金融・保険・不動産業界などで安定した需要がある、独立も可能。
  • デメリット: FP資格の取得が必要、顧客獲得のための営業力も求められる。
  • 収入の目安: 雇用形態(会社員か独立か)や個人の営業成績に大きく左右されます。

15. 日本語教師

  • 仕事内容: 日本語を母国語としない外国人に対して、日本語や日本文化を教えます。国内の日本語学校のほか、オンラインでの指導も増えています。
  • おすすめの理由: 日本で働く外国人材の増加に伴い、国内外で需要が高まっています。50代・60代で活躍している方も多く、年齢がハンデになりにくい仕事です。
  • メリット: やりがいが大きい、自分の母国語スキルを活かせる、異文化交流の機会が豊富。
  • デメリット: 信頼を得るためには、専門の養成講座修了などの資格・経歴が求められることが多い。
  • 収入の目安: 年収で200万円~400万円、時給では1,500円~2,000円程度が目安です。

一目でわかる!おすすめ仕事の詳細比較

数多くの仕事をご紹介しましたが、「結局、私にはどれが合っているの?」と迷ってしまうかもしれません。

そこで、ここまでご紹介した15の仕事を一覧で比較できる表をご用意しました。

ご自身が何を大切にしたいか(収入、働きやすさ、やりがいなど)を考えながら、選択肢を絞り込むのにお役立てください。

表1:50代女性向け「一生できる仕事」比較表

仕事働き方の特徴収入の目安(月収・時給)始めやすさこんな人におすすめ
介護職体を動かす, シフト制月収: 約22万~30万円以上未経験OK, 資格取得支援多人の役に立ちたい、安定した業界で働きたい人
家事代行・清掃体を動かす, 時間が柔軟時給: 約1,150~2,000円未経験OK, スキル不要家事が得意、自分のペースで働きたい人
保育補助体を動かす, シフト制(働き方による)未経験OK (補助業務)子どもが好き、子育て経験を活かしたい人
接客・販売体を動かす, シフト制(業種による)未経験OK人と話すのが好き、コミュニケーション能力に自信がある人
一般事務デスクワーク, 時間が安定年収: 約340万~470万円未経験OK, PCスキル要体力的な負担を避けたい、安定した環境で働きたい人
医療事務デスクワーク, 時間が安定月収: 約20万~35万円未経験OK, 資格推奨安定した専門職に就きたい、細かい作業が得意な人
コールセンターデスクワーク, 時間が柔軟時給: 約1,300~1,700円未経験OK, マニュアル有体力に自信がない、話すことが好きな人
経理事務デスクワーク, 時間が安定(経験による) 資格必須 (簿記2級)コツコツ作業が得意、専門スキルを身につけたい人
Webライター在宅・リモート, 時間が柔軟文字単価: 0.3円~未経験OK, スキル不要文章を書くのが好き、自分の経験を活かしたい人
オンラインアシスタント在宅・リモート, 時間が柔軟時給: 約1,000円~事務経験者有利在宅で働きたい、サポート業務が得意な人
データ入力在宅・リモート, デスクワーク(出来高・時給制)未経験OK, スキル不要一人で黙々と作業したい、対人関係のストレスを避けたい人
登録販売者体を動かす, シフト制年収: 約300万~350万円資格必須一生モノの国家資格が欲しい、安定した専門職に就きたい人
キャリアコンサルタントデスクワーク, 時間が柔軟年収: 約300万~500万円資格必須人の役に立ちたい、自分の人生経験を最大限に活かしたい人
ファイナンシャルプランナーデスクワーク, 時間が柔軟(働き方による)資格推奨お金の知識を深めたい、実生活に役立つスキルが欲しい人
日本語教師デスクワーク, 時間が柔軟時給: 約1,500~2,000円資格・経験推奨教えることが好き、異文化交流に興味がある人

キャリアアップに繋がる資格

未経験から新しい仕事を始める上で、資格はあなたの「やる気」と「能力」を証明してくれる心強い味方になります。

ここでは、特におすすめの5つの資格について、その内容、取得にかかる費用や期間を詳しくご紹介します。

資格取得は、未来の自分への最高の投資です。

介護職員初任者研修

介護の仕事をする上での基本的な知識と技術を学ぶ、介護の入門資格です。

年齢や経験に関わらず誰でも受講でき、50代から挑戦する方も非常に多いです。

全130時間のカリキュラムを通じて、身体介助の正しい方法などを学ぶことで、身体への負担を減らし、自信を持って現場に立つことができます。

将来的には国家資格である「介護福祉士」を目指すための必須の研修でもあります。

費用と期間の目安

費用はスクールによって幅があり、約3万円~10万円程度です。

期間は、通い方にもよりますが1ヶ月~4ヶ月ほどで取得可能です。

医療事務関連資格

医療事務の仕事は資格がなくても始められますが、「医療事務技能審査試験(メディカルクラーク®)」などの資格を持っていると、就職に圧倒的に有利になります。

専門知識があることの証明となり、即戦力として評価されるためです。

費用と期間の目安

大手のスクール(ニチイ学館、ユーキャン、ヒューマンアカデミーなど)が様々な講座を開講しています。

費用は講座内容によりますが、約4万円~10万円弱が中心です。

学習期間は3ヶ月~4ヶ月が一般的です。

登録販売者

一般用医薬品の専門家として、ドラッグストアなどで医薬品の販売ができる国家資格です。

受験資格に年齢や学歴、実務経験の制限がないため、誰でも挑戦できます。

一度合格すれば更新の必要がなく、一生有効なのも大きな魅力です(ただし、現場で働くには年1回の継続的な研修が必要です)。

費用と期間の目安

受験料は都道府県によって異なり、1万3,000円~1万5,000円程度。

独学も可能ですが、通信講座などを利用する場合、費用は約3万円~7万円程度。

標準的な学習期間は約6ヶ月です。

日商簿記検定

企業の経理・会計スキルを証明する、最も知名度の高い資格です。

未経験から経理職を目指す場合、「日商簿記2級」を持っていることが、事実上の応募条件となっているケースが非常に多いです。

企業の財務諸表を理解できるレベルの知識があることの証明になります。

費用と期間の目安

2級の合格に必要な学習時間は250時間~500時間と言われています。

費用はテキスト代や受験料、必要であればスクール費用がかかります。

キャリアコンサルタント

人々のキャリア形成を支援する専門家としての国家資格です。

50代以上の活躍が目覚ましい分野で、まさに人生経験が強みになります。

受験するには、国が認定した養成講座(150時間)を修了する必要があります。

費用と期間の目安

養成講座の費用は機関によって異なり、約30万円~44万円程度かかります。

期間は講座のスケジュールによりますが、数ヶ月を要します。

表2:おすすめ資格の比較表

資格名学習期間の目安費用の目安活かせる仕事こんな人におすすめ
介護職員初任者研修1~4ヶ月3万~10万円介護職全般人に寄り添う仕事がしたい、まず介護の基本を学びたい人
医療事務関連資格3~4ヶ月4万~10万円弱医療事務安定した業界で専門性を身につけたい、正確な作業が得意な人
登録販売者約6ヶ月講座料3万~7万円+受験料ドラッグストア等の販売員生涯有効な国家資格が欲しい、医薬品に興味がある人
日商簿記検定2級250~500時間テキスト代+受験料経理事務、一般事務専門的な事務スキルを身につけたい、数字に強い人
キャリアコンサルタント養成講座で数ヶ月30万~44万円キャリア支援、人事自分の人生経験を活かして人の役に立ちたい人

国や自治体のサポート制度

「新しいことに挑戦したいけど、資格取得の費用が…」「仕事探しの方法がわからない」。そんなあなたの不安を解消し、力強く後押ししてくれる公的なサポート制度がたくさんあります。

これらを知っているかどうかで、あなたのセカンドキャリアのスタートは大きく変わります。

ぜひ賢く活用してください。

あなたの最強の味方「ハローワーク」

ハローワークは、単に求人を紹介してくれるだけの場所ではありません。

あなたの再就職をトータルで支援してくれる、まさに最強の味方です。

職業訓練(ハロートレ)でスキルを学ぶハローワークでは、再就職に必要なスキルを原則無料で学べる「求職者支援制度」などの職業訓練を実施しています。

50代の女性に人気の「医療事務」「介護職員初任者研修」「Webデザイン」「OA事務(PCスキル)」といったコースも豊富に用意されており、多くの先輩たちがこの制度を利用して新しいキャリアを掴んでいます。

一定の条件を満たせば、月10万円の給付金を受け取りながら学べる場合もあります。

専門窓口で手厚いサポートを受ける「マザーズハローワーク」は、子育てと仕事の両立を目指す女性のための専門窓口です。

キッズコーナーが併設されているなど、子ども連れでも安心して相談できる環境が整っています。

担当者制で、あなたの状況に合わせたきめ細やかなサポートが受けられます。

学びの費用負担を軽くする!国や自治体の補助金制度

資格の取得費用は、決して安価なものではありません。

しかし、諦める必要はありません。

国や自治体の補助金制度を使えば、負担を大幅に軽減できます。

教育訓練給付制度

教育訓練給付制度は、働く人のスキルアップを支援するための国の制度で、雇用保険に一定期間加入していた方が対象です。(厚生労働省ホームページ:『教育訓練給付制度』)

指定された講座を受講・修了すると、支払った費用の一部が後から戻ってきます。

  • 一般教育訓練: 受講費用の20%(上限10万円)が支給されます。
  • 特定一般教育訓練: 受講費用の40%(上限20万円)が支給されます。
  • 専門実践教育訓練: 受講費用の最大70%(年間上限56万円)が支給される、非常に手厚い制度です。キャリアコンサルタント養成講座など、多くの専門講座が対象になっています。

ご紹介した「介護職員初任者研修」や「医療事務」「キャリアコンサルタント」などの講座の多くが、この制度の対象となっています。まずはハローワークで、ご自身が対象になるか、希望の講座が対象かを確認してみましょう。

リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業

経済産業省が主導する新しい制度で、在職者が対象です。(経済産業省:『リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業』)

キャリア相談からリスキリング講座の受講、転職支援までを一体的に提供し、講座受講料の最大70%(上限56万円)が補助されます。

お住まいの自治体の支援制度国だけでなく、東京都の「女性向けキャリアチェンジ支援事業」のように、自治体が独自に女性の再就職や学び直しを支援するプログラムを実施している場合があります。

お住まいの都道府県や市区町村のホームページをぜひ一度チェックしてみてください。

その他の公的・民間支援機関

ハローワーク以外にも、無料でキャリア相談ができる場所があります。

  • 女性センター・男女共同参画センター: 各都道府県や市町村が設置している女性のための総合施設で、キャリア相談や情報提供を行っています。
  • キャリア形成・リスキリング支援センター: 厚生労働省が委託して運営しており、雇用形態に関わらず誰でも無料でキャリアコンサルティングを受けられます。

これらの制度は、あなたの「学びたい」「働きたい」という気持ちを応援するために作られています。一人で抱え込まず、ぜひ専門家の力を借りて、賢くキャリアチェンジを実現してください。

まとめ

まとめ

50代からの「一生ものの仕事」探し。

それは、単に新しい職場を見つけることだけではありません。

これまでの人生を肯定し、これからの人生をより豊かに、自分らしく輝かせるための、素晴らしい挑戦です。

「もう遅い」なんてことは、決してありません。

むしろ、豊かな経験と人間的な深みを持つ50代の今だからこそ、始められる仕事、成功できるキャリアがあります。

この記事が、あなたの心の中にある漠然とした不安を、未来への希望に変えるきっかけとなれたなら幸いです。