
はじめに
「40代で特別なスキルもない私に、起業なんてできるの?」と不安に思われている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今は40代からでもスキルなしで起業に挑戦し、成功している人が少なくありません。
私自身39歳の年にスキル無しで旅行業を始めて失敗をしましたが、その後、方向転換を続けながらですが、なんとか今まで楽しく仕事を続けています。
実際、日本政策金融公庫の調査では起業する人の約36.9%が40代で、平均年齢は43.7歳という結果も出ており、むしろ40代は起業のボリュームゾーンと言えます。(日本政策金融公庫「2023年度新規開業実態調査」)
同じく日本政策金融公庫の「2022年度新規開業実態調査(特別調査)」結果から、女性起業家の年齢は「40歳代」が38.5%と最も多く、次いで「30歳代」が26.7%となっています。(日本政策金融公庫「女性による新規開業の特徴」)
インターネットの普及で自宅にいながら低コストで必要なスキルを学べたり、情報発信で集客したりできる時代です。
このような時代背景の中、40代という豊富な人生経験を持つ人は、起業において大きな強みを持っています。
経験や人脈、そしてこれまで培ってきた知恵は立派な財産です。
初期費用を抑えて小さく始め、リスクを最小限にしながら自分のペースでチャレンジできるのも、今の時代ならではの起業スタイルでしょう。
40代スキルなし女性に向いている業種

①初期費用の低さ、②自分のペースでできるか(時間の融通)、③自宅でできるか、という視点から初期費用が少なく、時間や場所の自由度が高い、40代・未経験の女性でも始めやすい業種や職種を考えてみたいと思います。
ハンドメイド・ネットショップ運営
手芸やアクセサリー作りなど、ハンドメイドの作品を販売するビジネスです。
昨今は Creema(クリーマ)や minne(ミンネ)、Etsy といったハンドメイドマーケットや、Shopify・BASEなど誰でも簡単にオンラインショップを開設できるサービスが充実しており、専門知識がなくてもネット販売を始められます。
実店舗を構えるよりも初期費用や維持コストをぐっと抑えられ、全国のユーザーにアプローチできる点が魅力です。
ものづくりが好きな方なら、自宅で作品を作ってネットに掲載するところからスタートできます。
ただし最低限、作品のクオリティや写真映えには気を配りましょう。
最初はフリマアプリや友人への販売から始めて、徐々にファンを増やして自社サイトで販売するという流れが良いと思います。
家事・代行サービス
掃除、洗濯、料理、買い物代行など、忙しい人に代わって家事や用事をこなすサービスです。
特別な資格や高度なスキルは不要で、丁寧に家事ができること、そして相手に寄り添ったコミュニケーションができれば十分始められます。
近年は共働き家庭や一人暮らしの高齢者が増え、家事代行サービスの需要は高まっています。
家事が得意、整理整頓が好き、人の役に立つと嬉しい、といった方に向いているでしょう。
始め方としては、自分でチラシやSNSで地域に向け宣伝する方法と、既存の家事代行マッチングサービスに登録して仕事を受ける方法があります。
最初は口コミで知り合いの家事手伝いからスタートし、信頼と実績を積んでいくと依頼が徐々に増えていきます。
低コストで始められる一方、お客様の大切な家を扱う責任感も必要なので、誠実な対応を心がけましょう。
ブログ・アフィリエイト
ブログを書いて広告収入やアフィリエイト収入を得るビジネスです。
私自身も若干ですがアフィリエイトでの収入があります。
パソコン1台とネット環境さえあれば始められ、体力に関係なく在宅で好きな時間に作業できるのがメリットです。
具体的には、自分の興味あるテーマ(例:子育て、料理、美容、趣味など)で情報発信を行い、サイトに広告を貼ったり商品紹介リンク(アフィリエイトリンク)を設置したりします。
読者が増えて広告がクリックされたり商品が購入されれば、報酬が得られる仕組みです。
ポイントは、自分の経験や知識を活かして書けるジャンルを選ぶことです。
たとえば長年の主婦経験がある人なら家事のコツを発信する、介護の経験がある人なら高齢者ケアに関する情報を書く、といった形で、40代までのあらゆる経験を活かしたコンテンツにすることができます。
初期費用はドメイン・サーバー代程度と僅かですが、収益が出るまで時間がかかる点には注意しましょう。
コツコツ記事を書き続ける根気と、読者に有益な情報を提供する工夫が成功への鍵です。
オンライン講師
インターネットを通じて知識や技術を教える仕事です。
Zoomなどでリアルタイムのレッスンをしたり、録画した講座を販売したりする形があります。
特別な教員免許がなくても、自分の得意分野や趣味の知識を活かして講師業を始めることが可能です。
例えば「英語が好き」「料理が得意」「ヨガを長年続けている」など、その分野に興味がある人に向けてオンラインレッスンを提供できます。
最近はオンライン学習プラットフォーム(Udemyやストアカ等)に登録して、誰でも気軽に講座開設できる仕組みが整っています。
私自身Udemyは生徒として講座をたくさん受講していますし、私の顧問先の社長はストアカでスクールを開設しています。
初期費用はカメラ付きパソコンとマイク程度ですが、受講生にとって分かりやすい資料作りや話し方の練習は必要です。
最初は身近な人向けのミニ講座から始め、受講生の声を参考に内容をブラッシュアップしながら進めると良いでしょう。
自宅に居ながら全国の生徒とつながれるのはオンラインならではの強みだと思います。
あなたの経験や情熱が誰かの学びにつながる、やりがいの大きい仕事です。
上記以外にも、「好き」や「得意」を活かせる仕事は色々あります。
たとえば文章を書くのが好きなら在宅のWebライター、イラストが描けるならデザイン販売、運転が得意なら宅配ドライバーなど、多様な選択肢があります。
大切なのは、「これならやってみたい」「これなら自分にもできそう」と思えるものから小さく始めてみることです。
副業や週末起業的にスタートして様子を見るのも、リスクを抑える賢い方法です。
40代の女性が起業で活かす「強み」
「特別なスキルがない」と感じていても、目に見える資格だけがスキルではありません。
40代まで生きてきた中で培われたあなたの経験や個性こそが強みになるのだと思います。
まずは、これまでの人生を振り返ってみましょう。
「私には何も取り柄がない…」なんて思っていても、必ず何かしら熱中してきたことや、人よりちょっと得意なことがあるはずです。
それを見極めるには、自分の経験・興味を書き出してみるのがおすすめです。
紙とペンを用意して、思いつくままに列挙してみてください。
例えば以下のような経験や得意分野が強みになるかもしれません。
子育ての経験
長年にわたる子育てで得た知識や知恵、人間的な成長は大きな強みです。
「子どもが好き」「教育に関心がある」という方は、ベビーシッターサービスや子育て相談、育児ブログなどにつなげられるかもしれません。
子育て中に編み出した工夫(時短レシピやおもちゃのアイデアなど)は、同じ悩みを持つママたちにとって貴重な情報です。
そうしたリアルな経験に基づくアイデアは大きな武器になります。
地域活動・コミュニティの経験
PTAや町内会、ボランティアなど地域で活動した経験はありませんか?
人をまとめたりイベントを企画したりした経験があるなら、それは立派なマネジメントスキルです。
例えば、地元の特産品をネット販売するお手伝いをしたり、地域の高齢者向けサービスを立ち上げたりといった地元密着型ビジネスのヒントが隠れているかもしれません。
自分の暮らす地域をより良くするビジネスは、行政や周囲の協力も得られやすいメリットがあります。
生活の工夫や得意分野
家事や節約術、健康管理など日々の生活で「あまり意識してなかったけど自分はこれが得意かも?」ということはありませんか。
例えば「片付けが好きで家中いつも整理整頓してきた」なら整理収納アドバイザー的な仕事、「家計簿管理が趣味で貯金をしてきた」なら家計相談や節約術の情報発信、といった具合です。
普段は当たり前すぎて気づかない強みも、見方を変えればビジネスの種になります。
身近な人から「いつも助かってるよ」と言われることなどヒントにしてみましょう。
要は、特別な資格や肩書きがなくても、あなたの人生そのものが財産だということです。
豊富な人生経験・社会経験こそ40代女性の大きな強みです。
一度自分の棚卸しをしてみると、「これなら人の役に立つかも」というネタが必ず見つかるはずですよ。
もし「自分の強みがよく分からない…」という場合は、身近な人に聞いてみるのも◎です。
友人や家族に「私の長所や得意なことって何だと思う?」と尋ねると、自分では意識していなかった意外な強みを指摘してもらえることがあります。
また、マインドマップやマンダラチャートなどの発想法を使ってアイデアを広げてみるのも有効です。
頭の中を整理していくうちに「これならビジネスになるかも!」というアイデアが見えてくるかもしれません。
40代女性が起業を成功させるためのポイント

40代から起業を成功させるために大切なのは、正しいマインドセットと行動習慣です。
実際に成功している40代女性起業家たちにも、いくつか共通するポイントがあります。
ここでは、起業を継続し成功するためのポイントと成功者の共通点を考えていきたいと思います。
【ポイント1】目的意識を明確に持つこと
「何のためにこのビジネスをするのか?」という軸となる目的をはっきりさせましょう。
お金を稼ぎたい、自由に働きたいという理由でももちろんOKですが、もう一歩踏み込んで「誰のどんな悩みを解決したいのか」「自分はどう社会に貢献したいのか」を考えてみてください。
目的が明確だと、辛い時にも「初心」を思い出して踏ん張ることができます。
逆に目的がふわふわしていると、壁にぶつかったときに挫折しやすくなってしまいます。
成功している人ほど「自分のビジネスで実現したいこと」がはっきりしており、その熱意が周囲にも伝わっています。
小さく始めて継続する
一気に大成功を狙わず、最初は小規模でスタートするのもポイントです。
初めから大きな投資をしたり完璧を求めたりすると、思わぬ失敗でダメージを負って続けられなくなるリスクがあります。
それよりも、できる範囲で始めて走りながら改善する方が、結果的に長続きし成功に近づきます。
実際、40代で起業して成功している方の多くは最初は副業やスモールスタートから始め、無理なく事業を軌道に乗せています。
小さな成功体験を積み重ねることで自信も付き、周囲からの信頼も得られていくでしょう。
コツコツ継続する力こそが最大の武器だと思います。
【ポイント2】積極的に行動し、学び続ける姿勢
アイデアを思いついたら恐れず行動に移す積極性が大切です。
頭の中で考えているだけでは前に進みません。
うまくいかないことがあっても、行動すれば経験と知恵が残ります。
失敗を恐れて何もしないのが一番の失敗、と心得て、一歩踏み出す勇気を持ちましょう。
同時に、常に学び続ける姿勢も成功者の共通点です。
時代の変化や新しい技術についていくために、本を読んだりセミナーを受けたり、必要ならスクールでスキルを習得するなど、自己投資を惜しまない人が多いです。
40代は吸収力が落ちているかも…と心配になるかもしれませんが、人生経験がある分理解が早いことも多いですし、今はオンラインで無料または低コストで学べる機会もたくさんあります。
好奇心を持って新しい知識を取り入れる柔軟さが、ビジネスの成長につながります。
【ポイント3】情報発信とネットワークの活用
「自分のビジネスを知ってもらう努力」も重要です。
せっかく良い商品やサービスを持っていても、存在を知られなければ始まりませんよね。
今はSNS(Instagram、TikTok、X 等)がありますから、ぜひ積極的に情報発信してみましょう。
写真や動画で商品・サービスの魅力や、ご自身の人柄・ストーリーを発信することで、幅広い層に届けることができ、ブランドのファン獲得につながります。
実際、40代で活躍している女性起業家の多くはSNSやブログで自ら情報を発信し、共感してくれるお客様や仲間を増やしています。
また、人脈を活かすことも重要です。
これまで築いてきた友人・同僚・ママ友などのつながりは大きな財産です。
相談に乗ってもらったり、ビジネスの口コミが広がったり、思わぬ協力者が現れたりすることもあります。
自分一人で全部やろうとせず、周囲に頼ったり助け合ったりできる人が結果的に成功しやすいのだと思います。
【ポイント4】こだわり過ぎない
これは私自身の経験から感じていることですが、自分でビジネスを始めると、考えていなかったような道が開けてくることがあります。
私は39歳の年に、全く経験もスキルもない旅行業の会社を立ち上げました。
この旅行業は失敗したのですが、その時にお金がなくて仕方なく自分でホームページを作ったことがきっかけでホームページの制作スキルやWEB集客の知識がつき、自分でネットショップを立ち上げて売上をつくるができました。
その後、ひょんなことから行政書士という仕事を知って、行政書士となり、WEBで自分のビジネスの集客することで行政書士の仕事も早々に軌道に乗せることができました。
このように最初は旅行業から始まって、次にネットショップ、今では行政書士というように、起業当初は想像すらしていなかった仕事をしています。(詳しくは『運営者紹介』のページでも書いていますので、よろしければご覧ください)
私の知っている40代の女性起業家の方の中でも、当初考えていたビジネスとは全く違ったビジネスで成功された方もいらっしゃいます。
その時その時を一生懸命していれば、最初に考えていたビジネスではないかもしれませんが、いろいろな道が開けてくると思います。
ぜひ、ご自身のペースで一歩ずつ進んでみてください。
まとめ

最後までお読みいただきありがとうございます。
40代・スキルなしからの起業についてご紹介しました。
40代は決して遅すぎることはなく、むしろ人生経験という宝物がある分、有利な点もたくさんあります。
特別な資格がなくても、これまで積み重ねてきた日々の中にビジネスの種は潜んでいます。
もちろん起業した後には勇気がいりますし、最初の一歩を踏み出すときは誰だって不安です。
一歩踏み出して起業するのも人生ですし、起業しないというのも人生だと思います。
「40代スキルなしの女性」という理由だけで諦めるのではなく、ご自身でじっくり考えて見られるのも良いと思います。